穴の開いたパンツ
仕事でたまにある島へ行く。
この島は通称「鬼ヶ島」と呼ばれている火山である。
遠くから船で近づくと、ごつごつした岩肌の頂からモクモクと煙を吐き、まるで鬼の住む島のようなのだ。
おまけに海岸のいたるところから温泉が湧き出しているので、海水は青や茶色で濁っている。
島の頂には火口があり、最初にそこへ降りてゆくにはかなりの勇気がいる。
なぜなら、地面から、岩肌から、そこらじゅうから有毒な火山ガスが噴き出しているからだ。
そのため視界は真っ白。ガスの噴き出しているところは900℃にもなり岩は赤い。
経験的に3000円より高い靴を履いていかねばならない。それより安いと、靴底が溶けて歩行不能になる。
大気中のガスの濃度は200ppm以上(一般的に2ppmを超えると危険)、当然、ガスマスクがなくては生きていられない。
このガスマスクは、フィルターの内側に弁があり、呼吸をするたびにこの弁がピコピコと開いたり閉じたりする。
気をつけなければならないのは、マスクを装着しているときに、例えばアイドルの裸体を想像したりとスケベなことを考えないことである。
そこに唾がたまり、弁がぴったり張り付いてしまったことがある。
弁がピコピコしないので息ができない。しかし回りは有毒ガスが充満しているのでマスクははずせない。
というジレンマに陥り、目を白黒させながら、ほうほうの態で逃げ出すことになってしまった。
ガスは汗などの水分に溶け込み,木綿などの繊維を溶かす。
もし、あなたが木綿のパンツをはいていたら、おうちに帰ってズボンを脱いだときに、いたるところ穴だらけになった超セクシーなパンツをはいていたことに気づきびっくりすることになる。
以上をまとめると次のようになる。この島に行く場合、
1)3000円以上の靴を履いてゆく、
2)スケベなことは考えない、
3)木綿のパンツははかない、
以上。え、この島はどこかって?それは内緒。
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